メモ帳でプログラミングを始めるべき3つのメリット
「プログラミングを始めてみたいけれど、何だか準備が難しそう……」「ハイスペックなパソコンや、プロが使うような難しいソフトが必要なんじゃない?」そんな風に思って、一歩踏み出せずにいませんか?実は、Windowsパソコンに最初から入っている「メモ帳(Notepad)」さえあれば、今この瞬間からプログラミングの世界に飛び込むことができるんです!
あえて高機能なツールを使わず、シンプルなメモ帳からスタートすることには、初心者にとって計り知れないメリットがあります。まずは、なぜメモ帳が最強の入門ツールなのか、その3つの理由を詳しく解説していきましょう。
特別なソフトを導入せず今すぐ開始できる
プログラミング学習における最初の挫折ポイントは、実は「開発環境の構築」だと言われています。プロが使うような専用ソフト(IDEなど)は、インストールに時間がかかったり、英語のメニュー設定に戸惑ったり、設定を一つ間違えるだけでプログラムが動かなかったりすることがよくあります。
しかし、メモ帳ならどうでしょう?Windowsキーを押して「メモ帳」と検索すれば、0秒で準備完了です。新しいソフトをダウンロードする必要もなければ、ユーザー登録も不要。この「思い立った瞬間に始められる」という手軽さは、やる気を維持するために最も重要な要素なのです。
パソコンの基本操作だけで手軽に挑戦できる
メモ帳を使ったプログラミングで必要なスキルは、たったの2つだけ。それは「文字を打つこと」と「名前を付けて保存すること」です。普段、仕事や学校で文章を作っているのと全く同じ操作感で、世界を動かすコードを書くことができます。
難しいショートカットキーや複雑な管理機能を覚える必要はありません。まずは「文字を入力して、決まった形式で保存する」というパソコンの基本中の基本を繰り返すことで、無理なくプログラミングの感覚を養うことができます。肩の力を抜いて、まずは「落書き」感覚で始めてみましょう!
プログラムが動く仕組みを根本から理解できる
高機能な開発ソフトはとても便利ですが、初心者のうちは「ソフトが勝手にやってくれていること」が多すぎて、逆に仕組みが分からなくなることがあります。例えば、自動でコードのミスを直してくれたり、ボタン一つで実行してくれたりするのは便利ですが、それでは「なぜ動いているのか」という本質が見えにくいのです。
メモ帳には、そんなお助け機能は一切ありません。一文字ずつ自分で打ち込み、自分でファイルを保存し、自分で実行する。この「泥臭いプロセス」を通ることで、プログラムがどのようにコンピュータに読み込まれ、どのように処理されるのかという「根本的な仕組み」が自然と身に付きます。これは、将来的にプロのツールに移行したとき、非常に強力な基礎体力となります。
メモ帳プログラミングで初心者におすすめの言語
メモ帳一つでできることは、意外とたくさんあります。「メモ帳=ただのテキスト」と思われがちですが、保存する際の名前(拡張子)を変えるだけで、さまざまな魔法の杖に早変わりします。ここでは、特に初心者が挫折しにくく、目に見える成果が出やすい3つの言語を紹介します。
| 言語名 | できること | 難易度 |
|---|---|---|
| HTML/CSS | Webサイトの見た目を作る | ★☆☆(易しい) |
| JavaScript | Webサイトに動きをつける | ★★☆(普通) |
| バッチファイル | Windows操作の自動化 | ★★☆(普通) |
Webサイト制作の基本となるHTMLとCSS
プログラミングへの第一歩として最もおすすめなのが、HTML(エイチティーエムエル)とCSS(シーエスエス)です。これらは厳密には「プログラミング言語」ではなく「マークアップ言語」や「スタイルシート」と呼ばれますが、Web制作の根幹となる非常に重要な技術です。
HTMLで文章の構造を作り、CSSで色や大きさを整える。メモ帳で書いたコードを保存してブラウザ(Google ChromeやEdgeなど)で開くだけで、自分専用のWebページが画面に現れます。自分の書いた文字がパッとカラフルなボタンになったり、大きな見出しになったりする快感は、初心者にとって最高のモチベーションになります。
動きのある演出を可能にするJavaScript
Webサイトに「動き」を加えたいなら、JavaScript(ジャバスクリプト)に挑戦しましょう。ボタンを押したらメッセージが出る、画像がスライドする、おみくじの結果を表示するといった、本格的な「機能」を作ることができます。
JavaScriptの素晴らしい点は、HTMLファイルの中にそのまま書き込めることです。特別な実行環境を整えなくても、ブラウザさえあれば動きます。現代のWeb開発において欠かすことのできない最重要言語の一つであり、メモ帳で学んだ基礎がそのままプロの現場でも通用するスキルへと繋がっていきます。
Windowsの操作を自動化するバッチファイル
もしあなたが「毎日同じ名前のフォルダを作っている」「複数のファイルを一気に移動させたい」といった事務作業の悩みを抱えているなら、「バッチファイル」がおすすめです。これはWindowsへの命令書のようなもので、拡張子を「.bat」にして保存するだけで動かすことができます。
例えば、メモ帳にたった数行のコードを書くだけで、100個のフォルダを一瞬で作成したり、特定のファイルをバックアップしたりすることが可能です。「プログラミングって、こんなに便利なんだ!」という実用性を肌で感じたい人にぴったりの選択肢です。
実践!メモ帳でプログラミングを動かすまでの手順
それでは、いよいよ実際にメモ帳を使ってプログラムを動かしてみましょう!今回は、最も成果が分かりやすい「HTML」を使って、世界一有名なプログラムである「Hello World」を表示させる手順を解説します。落ち着いて一歩ずつ進めていけば、必ず成功しますよ。
メモ帳を起動してコードを正確に入力する
まずは、Windowsのスタートメニューから「メモ帳」を開いてください。真っ白な画面が出てきたら、以下のコードを半角英数で丁寧に入力してみましょう。一文字でも間違うと動かないことがあるので、まるで宝の地図を写すような気持ちで慎重に!
<html>
<head>
<title>はじめてのプログラミング</title>
</head>
<body>
<h1 style=”color: blue;”>Hello World!</h1>
<p>メモ帳でプログラミングに成功しました!</p>
</body>
</html>
ここで重要なのは、「すべて半角で打つこと」です。特に「<」や「>」や「”」が全角になっていないか、よく確認してくださいね。
適切な拡張子を付けてファイルを保存する
コードが書けたら、保存作業に入ります。ここが一番の重要ポイントです!メモ帳のメニューから「ファイル」→「名前を付けて保存」を選んでください。
- 保存場所(デスクトップなど分かりやすい場所)を選びます。
- ファイル名を「index.html」にします。
- ファイルの種類を「テキスト文書 (*.txt)」から「すべてのファイル (*.*)」に変更します。(ここを忘れると、index.html.txtという名前になってしまい、動きません!)
- 文字コードが「UTF-8」になっていることを確認して「保存」を押します。
保存した場所に、いつものテキストアイコンではなく、Webブラウザ(EdgeやChrome)のアイコンが付いたファイルが表示されていれば成功です!
ブラウザやコマンドプロンプトで実行する
さあ、運命の瞬間です。保存した「index.html」をダブルクリックしてみましょう。普段インターネットを見ているブラウザが立ち上がり、画面に大きく青文字で「Hello World!」と表示されましたか?
もし表示されたなら、おめでとうございます!あなたは今、自分の手でコンピュータに命令を出し、プログラムを動かすことに成功しました。これは、世界中のエンジニアが最初に通った道と同じ一歩です。もし何も表示されなかったり、コードがそのまま文字として出てきたりした場合は、次の章で紹介する「注意点」をチェックしてみてください。
メモ帳プログラミングで失敗しないための注意点
メモ帳プログラミングは手軽な反面、初心者が陥りやすい「落とし穴」もいくつか存在します。せっかくのやる気がエラーで削がれてしまわないよう、以下の3つのポイントを必ず守るようにしましょう。これらは、プログラミングの世界における「お作法」のようなものです。
保存時の文字コードは「UTF-8」を選択する
コンピュータは、私たちが書いた文字をそのまま理解しているわけではありません。内部では数字の羅列として処理しており、その変換ルールを「文字コード」と呼びます。現代のプログラミングにおいて、最も標準的で世界共通のルールが「UTF-8」です。
古いバージョンのWindowsだと、保存時のデフォルトが「ANSI」や「Shift-JIS」になっていることがあります。これらを選んでしまうと、せっかく書いた日本語が「」のように文字化けしてしまいます。保存ボタンを押す前に、必ずウィンドウの右下にある文字コード設定が「UTF-8」になっていることを指差し確認しましょう!
全角スペースやスペルミスに気をつける
プログラミングの世界で最も多いミスの原因、それは「全角スペース」の混入です。見た目では空白にしか見えませんが、コンピュータにとって「半角スペース」と「全角スペース」は全くの別物です。全角スペースが一つ入っているだけで、プログラムは「意味不明な命令が来た!」とパニックを起こして止まってしまいます。
また、スペルミスも大敵です。例えば「<html>」を「<hmtl>」と書いてしまうのは、よくあるミス。メモ帳には間違いを教えてくれる機能がないので、「一文字ずつ、指でなぞるように確認する」という習慣をつけましょう。この丁寧さが、後に複雑なシステムを作る際のデバッグ能力(ミスを見つける力)に繋がります。
ファイル名が表示されない設定を解消する
Windowsの初期設定では、ファイルの種類の判別に使う「.html」や「.txt」といった「拡張子」が非表示になっていることがあります。この状態だと、自分では「index.html」という名前にしたつもりでも、実は裏側で「index.html.txt」となっており、プログラムとして認識されないというトラブルが多発します。
これを防ぐために、エクスプローラー(フォルダの画面)の上部にある「表示」タブから「ファイル名拡張子」にチェックを入れてください。常に拡張子が見える状態にしておくことは、プログラマーとしての第一歩です。自分のパソコンの裏側がどうなっているのか、常に把握する癖をつけましょう!
メモ帳プログラミングの次に見据えるステップアップ
メモ帳でいくつかプログラムを作り、仕組みが理解できてくると、「もっと効率よく書きたい!」「もっと高度なことをしたい!」という欲求が湧いてくるはずです。それはあなたが立派なプログラマーへと成長し始めている証拠です。メモ帳という最高の訓練場を卒業したら、次はどんな世界が待っているのでしょうか?
効率を劇的に上げるテキストエディタの導入
メモ帳は素晴らしいツールですが、やはりプログラミング専用に作られたものではありません。次にステップアップするなら、「高機能テキストエディタ」を使ってみましょう。代表的なものに「Visual Studio Code (VS Code)」があります。
これらのソフトを使うと、以下のような魔法のような体験ができます。
- コードに色がついて読みやすくなる(シンタックスハイライト)
- 打ちたい文字を予想して候補を出してくれる(入力補完)
- 閉じ忘れたカッコを教えてくれる
- 複数のファイルを同時に並べて編集できる
メモ帳で苦労して手作業していたことが嘘のように快適になり、開発スピードが10倍以上跳ね上がることも珍しくありません。
開発をサポートする統合開発環境(IDE)の活用
さらに本格的なソフトウェア開発やスマホアプリ制作を目指すなら、「統合開発環境(IDE)」というものを使います。これは、エディタだけでなく、プログラムを動かすための道具箱がすべてセットになった巨大な工房のようなものです。
Javaなら「IntelliJ IDEA」や「Eclipse」、iPhoneアプリなら「Xcode」、Windowsアプリなら「Visual Studio」といった具合に、作りたいものに合わせて最適なIDEが存在します。これらを使いこなせるようになれば、あなたはもう初心者ではなく、エンジニアとしてのキャリアを歩み始めていると言えるでしょう。
自分の作りたいものに合わせて言語を広げる
メモ帳でHTMLやJavaScriptに慣れたら、いよいよ他の言語にも目を向けてみましょう。プログラミング言語は、それぞれに得意分野があります。
- Python(パイソン):AI開発やデータ分析、自動化が得意
- Ruby(ルビー):素早いWebサービス開発が得意
- C#(シーシャープ):本格的な3Dゲーム(Unity)が作れる
- Java(ジャバ):大規模な業務システムやAndroidアプリが得意
「自分は何を作りたいのか?」を軸にして、次に学ぶ言語を選んでみてください。メモ帳で身につけた「論理的な思考」と「コードを書く習慣」があれば、どんな言語に進んでもスムーズに習得できるはずです。
プログラミングの旅は、たった一通の「メモ」から始まります。まずは気負わず、メモ帳を広げて自分の言葉をコンピュータに届けてみてください。その小さな一歩が、あなたの未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません!

